価格の心理学 – リー・コールドウェル

ちょうどひとつの案件で、商品の売り出しから関わっていくことになったので、興味を持って読むことができた一冊で、自分のようなサービスにも使ってみたい方法もあった。こういうものは実際に試してみることが一番だが、知識がなければ試してみることにならなかったので、どこかのブログで読んで「情報は行動を変える」というのは間違いない。
経験を重ねていくことで、次の案件にも応用できる。UXやUIを意識した上で、目的意識を持った、良い見た目のウェブサイトをつくることはできるので、これに「いかに売っていくか」の手法を提供できる制作会社になれば、その価値は悪くないものになっていくだろう。

重要なのは、商品のポジショニングによって、消費者が支払う金額に大きな差ができること

自社の商品やサービスと、それらが提供するあらゆる価値について考えて欲しい。顧客が商品やサービスを購入してくれる理由を、すべてあげるのは容易ではないはず。そこで一つずつ理由を見つけ、そこからさらに本質的な動機がないかどうか探ってみよう。<中略>どんな価値も最終的には、「苦しさ」と「楽しさ」という2つの基本的な感情と、「時間」と「金銭」という2つの現実的な利便性から派生している。

顧客は本当に支払うつもりの価格より低い金額を言うわ。低い金額を言えば、発売金額を下げてもらえると思っている。実際には、自分が本当にいくら支払うつもりなのかも自覚していないはず。

顧客が高く評価し、顧客の好みにあわせて差別化できそうな要素とは何か?

このように端数価格は効果的だと実証されている。競合商品と比較される可能性があるときは、1円割引きすれば買ってもらえる確率が上がるだろう。ただし(レストランのメニューのように)顧客が複数の自社商品から選択する場合は、端数価格がついた低価格商品に誘引されてしまう可能性が高く、逆効果になりかねない。

顧客は公正な価格設定を強く望んでいる。したがって常に合理的な価格設定を行い、積極的に顧客の立場を守ることが大切である。

クライアントに数時間かけて提供する専門知識は、きわめて価値が高いはず。したがって、提供する側は相応の金額を受け取る資格がある。

かならず市場には、自分よりも価格を高く設定する人もいれば、低く設定する人もいるので、自分自身にふさわしいポジションを確保すべきである。みずからの専門知識は上位20%に入っているだろうか?(そうでなければならない)

人は提示された金額に影響されることを忘れてはならない。しかも商品にいくら支払うかと聞かれると、本当に払うつもりより低い金額を答える。

アンカリングが、とりわけコンサルティングビジネスで効果的な理由は2点ある。まず、コンサルティングサービスの品質は標準化しにくい。コンサルタントどうしの比較ができないので、クライアントは想定価格がはっきりしない。2点目は、コンサルタントがクライアントに応じた価格相場を準備しているので、多様な予算に柔軟に対応しても信頼してもらえる。

実証実験でも選択肢が2種類なら、70%の人が安い方を選んでいる。

価格に自信があれば、申し訳なさそうな態度は必要ない。値引きを求められれば、サービス内容の削減を条件にすればよい。

商品の基本的特性が、おおむねニーズを満たしているとわかれば、次に価格をチェックする。商品価値の正確な計測手段がみつかりそうになければ、価格そのもので価値を評価する場合もある。そうなると公正さの判断になり、「購入するには理想的なパッケージサービスだろうか?」とは考えず「適正な契約だろうか?」と自問する。いずれにしても、「携帯電話を持つことで毎月5600円以上の価値を得られるだろうか?」という点に問題意識を持つ。その答えは確かに「イエス」だ。

よくあるのは1杯購入ごとにスタンプを押してもらい、10個集まると1杯無料になる仕組みだが、ちょっと違うのは、スタンプを10個ではなく12個集めなければならず、しかも最初から1個ではなく3個のスタンプが押してある。

たとえばフランスの場合、配送料は1フランだった。書籍価格にくらべればわずかな金額なので、なんの影響もないと考えられ、配送料が1フランで適正かどうかなど議論にもならなかった。ところが、そのわずかな金額が売り上げに大きく影響していた。実際にフランスで配送料が無料になると、売り上げは急増したのだ。

ダイヤモンドの販売促進の成功事例としてよく知られているように、20世紀にデビアスは欧米諸国で婚約指輪にはダイヤモンドを贈り、(狂信的とでも言えそうだが)価格は男性の給与の1ヶ月分があたりまえという慣習をつくりあげた。最近では2ヶ月にしようという動きもあるようだ。よく深い話だが、その厚かましさには脱帽である。

一般の消費者も、定期的な割引セールがあると、そのことに気づいて割引時期まで購入しなくなる。アパレル業界などが典型事例であり、年始や下記の値下げが広く知られているので、定価で購入してもよいと思っている商品を、その時期まで買わない消費者も多い。
また、コンサルティングや会計サービスなど法人ビジネスの場合も、一度価格を引き下げると、値引き交渉が可能だと思われて、定価を支払ってもらいにくくなる。

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