手塚治虫のマンガの描き方 – 手塚治虫

砂漠のように無味乾燥な、いまの生活のなかに、ちょっぴりオアシスの役目をはたせるなら、これにまさる満足はないのである。

マンガの中には、なにかしら、描いた本人の煩悩というか、モヤモヤの発散がある。それは、何度もいうように、気ままに思うがままに描くからである。そして、その欲求は、たいてい不満を含んでいる。

ようするにマンガを描くにあたっては、欲求やからかいお要素を忘れてはならないということだ。

こういう心のデッサンを、本物のデッサンと並行してやっていると、たいへんな進歩になる。

描くことの生きがいは、生活の確率とか、食うことの保障とかましてや楽をしようなんて欲からはほど遠いものなのだ。

ここにいる という話

長ければ長いほど根気と努力がいる。そして時間もかかる。

そのうちに、中途でファイトもなくし、また構想にも飽きがきて、描きつづけるのをやめてしまうからだ。

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