スクラップ・アンド・ビルド – 羽田 圭介

健斗は自分の今までの祖父への接し方が、相手の意志を無視した自己中心的な振る舞いに思えてくるのだった。家に生活費を入れないかわりに家庭内や親戚間で孝行係たるポジションを獲得し、さらには弱者へ手をさしのべrてやっている満足に甘んずるばかりで、当の弱者の声など全然聞いていなかった。

女性ホルモンが多いのか、嫉妬深く卑屈だった。

不必要な薬を投与しまくる病院に入院ないし通院させるのが最も現実的に思えたが、

さらに、「使わない機能は衰える」の逆をいくため最近己に課している一日最低三度の射精にとりくんだ。射精の能力は射精でもって鍛える。

セックスに必要な身体はセックスでつくる。

先方は、こちらからの電話に対してするメールで返答する余裕がありながら、電話をかけてはこなかった。接客の仕事であるからして、メールを返せる状況とは休憩中か仕事終わりのはずだ。そして、会えない理由がなにも記されていない。とても嫌な感じだ。

チワワちゃん – 岡崎 京子

短編集。終わりから2つ目で書籍のタイトルにもなっている「チワワちゃん」が秀逸。
「先月あったバラバラ殺人事件の被害者の身元が判明したと今日の新聞にのっていた 
千脇良子 20歳 看護学校生
それがあたしの知っている「チワワちゃん」だったとは
最初思わなかった。

大体あたしは「チワワちゃん」の本名すら知らなかったのだ

から始まる。