デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法 – 西井 敏恭

実践的思考の獲得ができる。
この考えをすぐに試して、血肉にできるのがデジタルマーケティングの良いところ。
著者の西井氏は元バックパッカーとのこと。

「マーケティングとは売れ続ける仕組みづくり」
「買いたい気持ちづくり」
マーケターの目線としては「どう売るか」ではなくて「買いたい気持ちをどう作るか」。さらに言えば、「買いたい気持ちをどう作り続けるか」が重要になってくるのです。

いつでもインターネットに接続できるようになったことで、モノがどのように売れるのかを図式化した「AIDMA」は「AISAS」に変化したという話があります。
Attention – Interest – Demand – Memory – Action
Attention – Interest – Search – Action – Share

■最重要
SEO、SEM、メルマガ、アフィリエイト、スマホ対応、アクセス解析

■次に実施
メールマーケティング、SNS

消費者は、従来のように広告や店舗だけでなく、「検索」や「SNS」を通じて商品やサービスを知り、サイトにやってきます。デジタルマーケターはそうやって集客した人たちに、どのようなコミュニケーションをして、購入や成約に至ってもらうかを考えますが、

現在のアドテクノロジーでは、ユーザーがどんなウェブサイトを見ているかという閲覧履歴をもとに、個人を特定しないかたちでターゲティングをすることが可能です。たとえば、宿泊予約サイトでホテルを探していた人が、そのサイトを離れてニュースサイトを訪れたとき、検討していたホテルが広告として表示されることがあります。つまり現在では「媒体」を超えて、「その人が何に興味を持っているか」にフォーカスした広告配信が可能なのです。

検索性・双方向性・即時性を低コストで実現できることも、デジタルマーケティングの大切なポイントである

買ってくれた直後に「ありがとうございました」とメールを送り、配送の手配が完了した瞬間に、「今から発送いたします」と、はじめて購入してくれた人の不安を取り除くことができるのが、デジタルならではのコミュニケーションです。

デジタルが全ての点において優位であるということが言いたいわけではありません。たとえば配送した有機野菜を料理するときの工夫やおいしい食べ方などは、紙のDMなどで伝えたほうが読まれやすくなるので、伝わる力が大きくなることもあります。

売上を「新規」と「継続」に分解する

F2転換で大切なもの3つ「タイミング」「ソユ品」「コミュニケーション」

どんな会社にも、派手じゃないけれど実は効く商品があるそういう商品を体験すると、お客さま「あ、違うな」って実感するんですよね。ここから読み取れるのは、1回目の購入のときにいかにスペシャルな体験を作り出すかが大事だということです。

商品は大事だし、良いものを作ろうというのはもちろんなんですけど、「何がいいのか」「どういうふうにいいのか」をちゃんと伝えなければいけない。「ずっと使ってもらえばわかるんですよ」と言われても買う人はほとんどいません。今すぐ相手にわかるように伝えなければいけない。言葉もそうだし、使ってみたときの体感もそうだし、商品を届けるときの箱ひとつとっても違ってくる。その全部が「体験」なんぼんです。買う前から実際に使ってみるまで、すべての体験が「また買いたいな」と思えるものでできているかが大切なんです。

はじめて利用してもらったお客さまに「この度は登録していただきありがとうございます。弊社はこのようなサービスをしている会社です。個人情報は大切に扱いますのでご安心ください。発送の手配ができましたらすぐにご連絡します」とうい内容をすごくリッチなメールで送ること。これを画像が入らないプレーンテキストで送る会社が多いと思いますが、それだとお客様のテンションが下がってしまう。

「お客様がどう考えている」だけに集中する

最初に送る何通かのメールをいかに改善するか

フェイスブック広告では、「28歳〜32歳の女性、既婚で1〜2歳児の親である都内に住んでいる人だけ」といった、かなり細かいセグメント(ターゲットの区分)で配信することができます。

SNS広告の効果が高い理由。みんな、なんとなくフェイスブックを見に来ているだけなんです。

タイムラインを見るように広告が入ってくる。そういう見方をしている時に響くものもある。

本当は丸投げせずに、パートナーシップを組んで一緒にやること、あるいは自社で広告がわかっている人を採用する、もしくは自分自身で勉強することが非常に大切です。ほとんどの人がなんとなくプロにまかせて広告の運用をやってもらった結果、「うまくいかない」と言っていることが多いのではないでしょうか。プロはもちろん知識も経験もあります。でも、リスティング広告の代理店の人に化粧品メーカーが仕事を依頼しても、自社の化粧品と他社の化粧品の違いをメーカー内部にいる人間のように理解するのは難しい。他社との違いを考えるのは、やっぱり自分たちの仕事なんです。自社の商品の特徴を言葉にして、どうやってリスティング広告を運用するか、アフィリエイトでどういうところに掲載してもらうかというのをしっかり考えることでまったく売上の構造が変わります。

「カスタムオーディエンス」という機能では、自社で保有しているメールアドレスなどをフェイスブック側に取り込んで、メールアドレスが一致したユーザーに広告を配信したり、逆に配信しないといった設定が可能です。また、「類似オーディエンス」は、既存顧客に類似した特徴を持つ人に広告を配信する手法です。

『デジタルマーケティング」なんて言うと難しく聞こえるかもしれませんが、要はウェブやアプリをもっとうまく使いましょうということなんです。

有名な棋士である羽生善治さんは「TEDxTokyo」というイベントで次のように語っていました。
「相手の立場になって、相手の価値観で判断しないと意味のないことになり、その後に考えた手も全部ムダになってしまう」