デザインの骨格 – 山中俊治

デザインの小骨話に続いて。
デザイナーを目指し始めた頃に、河北秀也氏のデザイン概論を読み、心に響く何かを感じ、これまでに何度か読み返した。あの本が自分のデザイナーとしての一部を作っていると思っている。

この山中氏からデザインというのか、ものづくりと言うべきなのかが大好きなのだろうな、ということが感じられる。自分の職業を楽しめているってのは幸せの一つだよな。

空気抵抗というものを学びました。

フェルミ推定:ある未知の数量を、いくつかの条件から推論し、短時間で概算すること。名称は、こうした概算を得意としていた物理学者のエンリコ・フェルミの名前に由来する。

「あなたが納得しているなら、何も言わない。」

多くのデザイナー=は、長くひとつの技術を育てる立場ではなく、むしろその成熟のタイミングを見極める立場にあります。常に進歩し続ける技術と人々の欲望の接点は一瞬。完成度の低い技術は見向きもされず、やっと役に立つようになった技術は、その瞬間から陳腐化し始めます。デザイナーはその一瞬を狙って、アイデアを定着させなければなりません。

一匹狼を気取るほど勇ましくはないです。みんなと一緒にやれと言われるのがなんか憂鬱なだけ。そんなワガママなと思うでしょう。私もそう思います。

「私は未来予想図を描いているのではない。現代の人々が望む未来を見せているのだ。」

道具は変わってしまいましたが、モノ作りの喜びに満ちた孤独な時間に迷いなく向き合えるのも、あの言葉を聞いたおかげかも知れません。

形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる。

文章においても論文と詩が違うように、絵においても正確にかたちを描く事と、表現者として感動させる事は全く違います。

デザイン・エンジニア

へうげる

デザイナーにとっては、言葉はとても大切です。自分がつかみかかっている大切なものを表現するために、ていねいに、にごり、陳腐、あいまい、誇張を排除していくと、ごくまれにドンぴしゃの言葉に行き当たります。
そのとき、言葉は、プロジェクトの骨になるのです。

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