あなたの話はなぜ「通じない」のか – 山田ズーニー

相手の好きにさせ、愛想でもこびでもふりまいて、相手に好かれ、結果を出す。そういう世渡りをしている人は、飲み屋さんにだって、大企業にだって、たくさんいる。

こういうのが、自分で自覚しながらもやめられないし、やめる必要もないと思っているのだから、それは辛い。「それっぽく見せるのだけは得意」と言って伊達眼鏡をかけている男がいて、今思うと、こういう人の達成感や充実感はどういう体験からくるのだろうと、本当にどうでもいいことを思った。

彼らの志は高い。自分の思いで人や社会と関わることを目指している。

当たり前だと思うけど、一般的にはそんなことはない。

相手の失礼な態度に、怒り散らすか、自分の感情を殺すか、選択は二つにひとつではない。じっと黙る。目で訴える。誠意を持って、そういうことはしないでくれとお願いしてみる。

その場で、状況を整理して、きちんと話ができれば良いんだが、腹を立てていると、たとえ自分が正しくても、上手に話ができなくて、あとで一人になってから冷静に考えると、相手の間違っていることにはっきりと説明がつくのだが、なかなかうまくいかない。冷静でいるための訓練と、高い教養を持つこと。

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