イエスやマリアについてを熱心に話す友人と会った後に。
「それで、どんな意味があるのかね」
この質問をされるたび、どう答えたものかと迷う。象徴の意味するところを人に教えるのは、歌を聴いてどう感じるべきかを教えるのと似たようなものだ。人それぞれにに異なる。
「反復ですよ。同じ象徴を重ねるのは、意味を強める最も簡単な方法です。自分の体を用いて、もうひとつ五芒星をつくったんでしょうね」ひとつよりふたつのほうがいい。
「祖父は、薔薇は秘密を意味するといつも言っていたの。内密のん電話をかけていてわたしに邪魔されたくないときは、書斎のドアに薔薇の花を飾ったものよ。わたしんいも同じようにしなさいと勧めた」秘密を守りたいときは、鍵をかけるのではなく、薔薇の花をー秘密の花をードアに飾ろう、と祖父は言っていた。そうすれば、お互いを敬い、信頼し合えるからな。薔薇を飾るのは古代ローマの習慣だよ。
「元来キリスト教はユダヤ教の安息日である土曜日を聖別していたんだが、コンスタンティヌスが、異教徒の尊ぶ太陽の日と一致するように変更したんだよ」にこりと笑う。「いまでは、日曜の朝に礼拝人出かける信者の中に、自分たちが教会へ出向くのは、異教の太陽神を祝福する聖なる曜日ー日曜日(サンデー)ーだからだと知っている人はほとんどいないだろうけどね。
「〜あくまでも人間と見なしていたのんだよ」
「神おn子ではないということ?」
「そうだ。”神の子”というイエスの地位は、ニケーア公会議で正式に提案され、投票で決まったものだ」
「ちょっと待って。投票の結果、イエスが神になったの?
「かなりの接戦だったがね」
「今日の聖書が改竄編集のたまものであることが疑問の余地なく立証されるのだから。」
〜中略〜
「教会がそうした文書の存在を隠したがるのは、古来のキリストの位置づけを心から信じるがゆえだということも忘れちゃいけない。ヴァチカンはきわめて敬虔な人たちの集まりで、それらの文章は捏造された証拠に過ぎないと誰もが信じきってるんだよ」