それは過ぎ去っていく束の間の風景ではない。我々はそれらの風景と現実的に折り合いをつけなくてはならない。我々は何を取り、何を捨てるか、何を受け入れ、何を受け入れないか、というようなことをきちんと決断しなくてはならない。
「これは綺麗な景色だな」「こういうところにずっと住めたら素敵でしょうね」だけでは済まない、ということだ。
ラム入りの紅茶を飲んで体を温め、
だんだん心愉しいものになっていった。
我々はやがてその島を出て、もう少しだけにぎやかな別の島に移った。それからもっとにぎやかなローマに移った。そしてそのあいだ、僕は相変わらず執拗にリアリスティックに休むことなく小説を書き続けた。