知人であるカイさんの父親が、著者である黒田征太郎氏と聞いてアマゾンで早速クリックをしたわけだけど、昨晩カイさんに征太郎氏のごくごく一部やカイさんの幼少時代のこと、僕の父親の話、父親と子供の関係など話をしたこともあり、興味をもって読めたのだと思うが、1時間ちょっとではじめから終わりまで一気に読んでしまった。
これはエッセイで、ロシア文学のように登場人物の長い名前や相関関係を山ほど覚えておく必要のあるような本ではないので、それほど時間のかかるものではないが、気になるところがたくさん出てきて、日本滞在中に読んだ本は、タイへ戻る前に全部売ってしまおうと思っていたが、この本は向こうへ持っていってもう一度読んでみることにする。
とにかく何かしていきたいのだが、そのゴールが見えずにどうしたもんかと考えたりするが、そう考えるのもよいし、そうしてやっていることそのものが大事であると思うので、意志を持ってやっていこう。
Saul Steinberg と 近藤等則 を見てみる。
絵を描く時だって、絵の具の用意から、げんk脳のお届けまでを、ま、なにからなにまで手とり足とりやっていただいていたわけです。知らない間に裸の王様よろしく、一人歩きできない男になっていたわけなのだ。これじゃあ、偉そうなことを言っても、地に足はついてない、地上5センチぐらいのところをフワフワと浮いているのです。
結局、ツケは回るというルールどおり、いま、現実がやってきた。俺は重い引越荷物にフウフウいいながらレキシントン通りを歩いている。<中略>
いやいや、オレみたいな国は結構たくさんあって、ひょっとすると、そんなハダカの王様的国家が、地球のため… なんぞと、いっているのではないのかな…といつもの調子で己のことを棚に上げて考えてしまいました。だって、そんな裸の王様的国家に、そろそろツケが回りだしたじゃないですか。本当に地球がまるいのならばどっかが凹めばどこかが凸んだよね。
さて、エッチングの件ですが、あれは僕としてはあくまでも、もはやブツあるいはタマとしてしか考えていません。それは決して作ったものに対して愛情と責任がないのではなく、作った物をコヤシにして次を作ることなのだと思います。安藤忠雄さんのスピード感の因(もと)はそこにあると思います。その循環がうまくいくことで先に進めるのだと考えています。プロデュース、マネジメントのホントはその辺だと思うのです。
話が、ちんけに流れているでしょうか?
82年から始まって、最初はやや、粗雑な絵が87年の出口あたりになると、ぐんぐん高まり、「やっぱり」「さすが」と言う感じで画品を感じました。とにかく好きでしょうがなくて造っていたと言う空気が好ましく、短い期間にあんな風に変わっていけるスピード感が気持ちよかった。そして、その変わり方も、決して大むこうをうならせようみたいな見栄の切り方ではなく、徐々にスピード上げていく旦那のようななめらかさを見たような気がします。
やっぱり走り続けるしかないのですね。バスキアは走り続けて観客の手に捕まることなく、ぬけていったんだと思いました。彼が描いている時の表情を見たいと思いました。彼の制作中の現場の空気を吸ってみたいと感じました。
PS 昨日、テレビで日本の建築家特集をしてましたが、安藤忠雄がイチバンかっこよかった。磯崎新さんは何やら、トッチャン、ボッチャンみたいでした(それでもよかったよ)。
そうは見えないかもしれないが、僕の場合、たいていのみせやさん(店舗)に入る時、自意識過剰でテレてしまう。最近でこそ顔が赤らむほどの事はないが身体はギクシャクしてしまう。
なんだかアメリカ様さまと言ってるように聞こえるでしょうが、僕は月に1度は日本に帰っている人間ですからちゃんと見えていると思います。
ソーホーでクレメンテの水彩画の展覧会を見ました。
画品と言う言葉を思い出しました。それにしても高い、、、。ハガキ大の水彩が10,000ドル。これはいけないことですよね。でも、うらやましい。でも、良くない、なんだか焦ります。
と、いうわけで、ここニューヨークにも相変わらずええものとアホなもんとがゴチャゴチャでそして僕の頭もごちゃごちゃで、とにかく、やっぱりもう少し大きい絵を描かにゃあかん、と思ったり、あせらず勉強と考えたり、まるで学生(学生生活は知らないが)みたいなものです。
こうしながら段々と何かが湧き上がってくるんでしょうね。
しかし、やっぱり日本の芸能人の学芸会ぶりがおかしかったです。
そして何より、驚いたのは歳とともに過激になってゆかれていること(ピカソもそうですよね)。以上、マチス、スタインバーグ、ともに好きな心が画面に満ち満ちている人たちなのですよね。
テレビと言うメディアに興味を持ち続けている僕にとっての番組とはやはり同時性(なま)と言うことなのです。
とにもかくにも生命ギリギリココロからがらのところで張っていかんと何も見えないし、何も確かめられない、と再確認できました。
伊集院くん、ポーランドへ行こうや、あいつらはいいですよ。そりゃ、貧しいけど、えらい田舎のレストランに行っても、ちゃんと食事の準備をしてくれますよ。ポテト1つを出すにしても、あいつらプライドを持って俺に向かってくれるんだ。人間が人間にしなきゃいけない礼儀がちゃんとしているんだ。他の国へ行けばきっと何かに出会えると思うよ